喉仏(のどぼとけ)って何?

執筆日 2022年8月23日

執筆者

16歳で出家し20年、小坊主から修行し僧侶として16年。2016年にペット葬祭事業を個人事業主として立ち上げ、2020年に法人化。お坊さん兼会社の代表として二足の草鞋を履きながら累計3,000件以上ペット火葬に従事。2022年にペット霊園を開設、僧侶としても日々、修行中。

2つの喉仏(のどぼとけ)!?

  • 男性の喉の突起部分(甲状軟骨)人体の名称
  • 仏教徒に大事にされている故人のご遺骨の部位

頭と背骨を繋ぐ1番目の頸椎・環椎(かんつい)があり、2番目に位置する、頸椎・軸椎(じくつい)の事を指します。

一般的には第二頸椎(けいつい)と呼ばれ、特徴的な軸(歯突起)を持った頸椎の一つです。

この形が、座禅している仏様に見えるのが喉仏の由来です。

※第2頸椎の模型です

喉仏は重要なのか?

喉仏が綺麗に残れば極楽浄土が約束されるなど、一節にはあり善行の象徴と考えもありますがこういった風習や考えが広まったのは先祖供養が大衆に広まった江戸時代からです。

206個ある人体のお骨の中で、仏さんに一番似ていたお骨とイメージしていただければ良いかと思います。

そう言われるとそうかなぁと思える程度です。

仏壇などでお手元で供養する中で全身のお骨は納めた骨壺は大きな場所を取ります。

お一人の遺骨だけでも大きな場所が必要ですし数人分となると場所が無い。

そこで、故人を偲ぶ象徴として特徴的な形をしている喉にある仏様として第二頸椎がお奉りされたのではないでしょうか?

身近で故人を偲びたいという気持ち限られた生活空間で無理なく置ける故人の遺骨

現実的な問題の答えとして、第二頸椎が選ばれてきた文化的な風習が強いと私は考えます。

仏教以外を信仰する人達から見れば、尊重すべし故人のご遺骨に優劣はない。

僧侶でありますが、私も故人のご遺骨に優劣はないと考えています。お手元に残すなら喉仏がわかりやすくコンパクトなのでおすすめです。

喉仏を見たことが無い

火葬場で拾骨に立ち会われた方の中には喉仏と呼ばれる第二頸椎を見たこともない方も多いかと思います。

これは、火葬炉の性能の向上で高温で火葬する為にお骨が崩れてしまう事が要因です。人口減少が進みその中で火葬場の需要は増え続け、火葬待ちの遺体安置施設が登場する昨今。しかし、周辺住民の反対も強く新規火葬場の建設ができない状況です。この為、火葬炉の性能を引き上げ高温で短時間に火葬する事が強く求められている訳です。

また高温の熱風が質量が大きい上半身から集中して火葬される為に喉にある喉仏はボロボロに崩れている場合が多いのではないでしょうか。

後書き

人生で人体の一部とは言え骨格模型を購入するとはおもっていなかったです。

今回、記事の執筆にあたり比較写真が欲しく当然比較された写真などありませんでしたので頸椎の模型とガチャポンの仏様を手配しコラボした写真撮影を行いました。

口頭や文面で仏様に似てると言われてもまず想像できない。

並べる事でようやく先人達の言い伝えが少しイメージできたのではないでしょうか。

株式会社 ターリン・インターナショナルさんのカプセルコレクション

「和の心 仏像コレクション2」

大日如来の座像になります。

税込300円

真言宗のご本尊です。300円のガチャポンと嘆けば良いのか、300円にしてはもの凄く高いクオリティの作品だと驚嘆すべきか。

答えはわかりませんが、300円にしろ300万の仏師作の仏像でも仏様の姿は不思議と落ち着くなぁと思った次第であります。